Accuphase T-109 (2号機) が到着
2025年5月19日、岐阜市の Y さんより
Accuphase T-109
の修理依頼品が到着しました。
定価15万円
の高級機です。
Advanced DGL 検波
が特長の FM 専用シンセサイザーチューナです。
程度&動作チェック
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修理依頼者のコメント
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現在正常に動作していると思いますが、あと10年くらい頑張って欲しいので点検お願い します。
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外観
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製造シリアル番号は [G4Y484] でです。
3P タイプの電源コードが付属していました。
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全体的にすごく綺麗な逸品です。
よくよく見るとポチッとした僅かなキズやスレがありますが全く目立たないです。
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電源 ON してチェック
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ランプ切れはなく、全ての表示が正常で、輝度も新品同様です。
全ての操作が正常です。
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特に問題なさそうなので、現状の性能を測定してみました。
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少しステレオセパレーションが落ちている気がしますが、その他の数値は良好です。
| 項目 |
SELECTIVITY |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
NORMAL |
stereo |
48 |
54 |
dB |
| NARROW |
18 |
18 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0.0069 |
% |
| stereo |
0.039 |
% |
| NARROW |
mono |
0.27 |
% |
| stereo |
0.38 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
NORMAL |
stereo |
-80 |
-80 |
dB |
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カバーを開けてチェック
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使用している IC のロット番号より、本機は [1994年製造品] とわかりました。
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ほぼ密閉構造ということもあり、内部の基板は超綺麗です。
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電解コンデンサや IC などの部品に目視でわかる劣化は見られません。
リペア:ハンダクラック予防補修
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概要
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T-109 でハンダクラックが発生しやすい箇所があります。
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リアパネルにある端子類のリードは基板に直接ハンダ付けされています。
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このハンダ付け部分には [リアパネル] [基板] の2方向から常にストレスを受けているので、いつかクラックが発生します。
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左の写真は RCA と XLR 端子で、右の写真は F 端子の裏側です。
いずれもリードは基板に直接ハンダ付けされています。

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レギュレータ IC のリードのハンダ付け部分は自身が発する高熱でハンダが劣化して、いつかクラックが発生します。
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下の写真で黄〇で囲んだのがレギュレータ IC です。

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修理 (予防補修)
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リアパネルにある [ANTENNA] [RCA] [XLR] 端子のリードを補修ハンダ付けしました。
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レギュレータ IC の [IC1] [IC2] [IC3] のリードを補修ハンダ付けしました。
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これでまた10年以上は大丈夫です。
再調整
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電圧チェック (VP)
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電圧の実測値は下のように良好でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| J56 (IC1-OUT) |
+12V |
+11.9V |
〇 |
アナログ系 |
| J50 (IC2-OUT) |
-12V |
-11.8V |
〇 |
| J111 (IC3-OUT) |
+5V |
+4.97V |
〇 |
デジタル系 |
| J103 |
+25V |
+24.6V |
〇 |
VT 元電源 |
| J104 |
-22V |
-22.0V |
〇 |
FL |
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FM 受信部の調整
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調整結果
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フロントエンドのトリマコンデンサは良好でした。
トリマコンデンサの良否は実際に回してみないとわからないのです。
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フロントエンドのトラッキング調整でほんの少し感度が上がりました。
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FM 同調点に少し調整ズレがありました。
再調整で規定内に入りました。
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ステレオセパレーションなどは以下となりました。
良好な数値です。
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SELECTIVITY = NORMAL での高調波歪率は非常に低く、やはり高級機です。
ステレオセパレーションも十分です。
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SELECTIVITY = NARROW での高調波歪率やステレオセパレーションはかなり悪化するので、できるだけ NORMAL で使ったほうがよいです。
| 項目 |
SELECTIVITY |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
NORMAL |
stereo |
52 |
55 |
dB |
| NARROW |
19 |
19 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0.0063 |
% |
| stereo |
0.037 |
% |
| NARROW |
mono |
0.27 |
% |
| stereo |
0.36 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
NORMAL |
stereo |
-82 |
-80 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0 |
+0.02 |
dB |
使ってみました
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デザイン
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Accuphase デザインは秀逸です。
特に正面から見た時の豪華さに惚れ惚れします。
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巨艦チューナです。
シンセサイザ方式チューナとしては大きさが最大級です。
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フロントパネルは眩しいシャンパンゴールドが上品で豪華です。
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[STATION] メモリは16局分あり十分です。
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[ANTENNA] 端子は F 端子なので、妨害電波の混入を阻止できます。
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オーディオ出力端子は、通常の RCA 端子の他に XLR 端子があります。
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感度や音質
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感度や妨害電波排除能力は一級品です。
放送局のモニタ機材のような、動作の安定感があります。
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無調整回路による経年変化に強い構成であることが安心感につながります。
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歪感の非常に少ない嫌味の無い高解像度の音です。
音に安定感があります。
低域の音も豊富に出ます。