KENWOOD L-03T (10号機) をゲット!
2025年8月27日、福岡県筑紫野市の H さんより
KENWOOD L-03T
の故障品を研究用に寄贈いただきました。
定価12万円
の
FM 専用高級チューナ
です。
程度&動作チェック
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寄贈者のコメント
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電源入らずの L-03T を誤ってオークションで落札してしまいました。
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電源トランスからの出力が無く、似たような電圧出力構成の SONY の電源トランスと交換しました。
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更にいくつかの動作していないトランジスタも交換しましたが直りませんでした。
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周波数ダイヤル板がズレ落ちていましたが貼り直ししました。
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外観
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製造シリアル番号は [30800306] で、電源コードの製造マーキングが見当たらずここからは製造年不明です。
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並みの中古より劣る外観です。
全体に汚れが多く細かいキズも多いですが、ヘコミやワレといった致命的なものはありません。
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フロントパネルはそう問題ありません。
天板への折り返しエッジにポロポロとアルマイトハゲがあります。
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周波数ダイヤル板が完全に外れて落ちていました。
ここは寄贈者のほうで修理したとのことですが完全ではなかったようです。
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リアパネルはそう問題はなく、RCA 端子には輝きが残っていますが若干サビが出ています。
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天板は汚れとサビが出て塗装ムラになっている部分がかなり多いです。
ラックに入れれば見えない部分ですが、完全に直すにはラッピングか再塗装が必要でしょう。
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電源 ON してチェック
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電源トランス周りの配線が外されているようで、このチェックは危ないので、この時点ではやっていません。
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カバーを開けてチェック
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メータの製造マーキングより本機は [1982年製造品] とわかりました。
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予想はしていましたが電源トランス周りの配線がグチャグチャです。
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これは面白い研究機材です。
まずは電源を入れなくよかった!!!
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電源トランスは SONY の機器から外したものらしいです。
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オリジナルより良さそうな電源トランスです。
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このまま使えるかチェックが必要ですが・・・
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基板は綺麗で目視で明らかに劣化とわかる部品は見当たりません。
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この機種で散見されるバリコンギア機構のプーリー軸は外れていませんでした。
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バリコン軸に緑青サビが出ています。
リペア (その1):電源トランス周りの配線がグチャグチャ
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概要
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寄贈者によると「入手時に電源トランスが断線しており、同じような別物電源トランスで交換を試みた」とのことです。
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結果、受信できるようにはならず修理を諦め、配線をある程度外して放置したようです。
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到着時に実装されていた別物の電源トランスが流用できるかチェック
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AC 出力は [AC10V×2] [AC15V×2] でしたが、[AC15V×2] 巻線が細く大きな電流を取れないと判断しました。
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[AC10V×2] の開放電圧は 12.2V で巻線抵抗は 1.6Ω×2 だったので、(12.2V-10V)/1.6Ω = 1.4A くらいです。
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[AC15V×2] の開放電圧は 18.7V で巻線抵抗は 9.1Ω×2 だったので、(18.7V-15V)/9.1Ω = 0.4A くらいです。
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この電源トランスは使えないと判断したので、別の電源トランスを探すことにします。
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手持ちの部品取り用の KT-1000 の電源トランスが使えそうと判断しました
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オリジナルとサイズが同じことより容量は同じと思います。
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AC 出力は [AC15V×2] [AC7.5V] で、[AC15V×2] は大きな電流が取れます。
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[AC7.5V] は KT-1000 ではフィラメントランプ用でこれは使いません。
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KT-1000 から取り外した電源トランスを本機に移植
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さすが同じメーカ同士、形状は全く同じで取り付け穴ともピッタリ合いました。
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AC100V 側を配線して [POWER] スイッチで ON/OFF できるようにしました。
正規の状態に戻したということ。
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電源トランスの2次側の配線と電源回路の改造
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左の回路図はオリジナルです。
回路図もクリックすると大きく表示できます。
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この回路オカシイ!!!
トラブルシューティングでしか回路図をじっくり眺めないので。
ボリボリ
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[Q47] の G~D 間が接続されていますが、定電圧ダイオードとして使うなら G~S 間接続が正しいです。
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基板の現物で確認しても回路図の通り G~D 間が接続されています。
よって、回路図も現物も間違っています。
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実はこれでも動いてしまうのです。
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J-FET は構造上 S/D は互換性がある
ので間違って逆に接続しても動いてしまうのです。
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なお、全ての J-FET で S/D 間の互換性があるかというと、そうではありません。
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たまたま [Q47] に使われていた 2SK163 には S/D 互換性があったということです。
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KENWOOD の設計者は気が付いているのだろうか?
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右の回路図は変更後です。
回路図もクリックすると大きく表示できます。
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要は L-03T が必要とする DC 出力の [±8V] [+12V] [フロントエンド電源] が構築できればよい訳です。
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追加した 68Ω×2本 の抵抗は [IC23] [IC24] の発熱を抑える目的です。
発熱を IC と抵抗に分散するのです。
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無くても動作しますが、[IC23] [IC24] を触ると火傷するくらいメチャ熱くなります。
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[IC23] [IC24] に放熱器を取り付けできれば良いのですが、スペース的に無理です。
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[IC23] 7908、[IC24] 7808 は放熱器なしで実装されています。
この場合の内部損失は 25℃ で 2W です。
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[IC23] からは 99mA、[IC24] からは 84mA 流れます。
この電流値は L-03T の動作状態により若干変動します。
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計算ではこれらの IC の IN~OUT 間電圧は 20V まで大丈夫です。
ただし周囲温度 25℃ の時です。
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周囲温度 50℃ までを保証しようとすると、IN~OUT 間電圧は 3V 以上 10V 以下にしたいです。
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これを実現しているのが 68Ω×2本 の抵抗です。
負荷電流変化があっても [IC23] [IC24] が変動を吸収できる抵抗値にしました。
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この処置が必要なったのは、KT-1000 の電源トランスには AC15V×2 巻線しかなかったからです。
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オリジナルでは AC10V×2 巻線につながっていたので問題ありませんでした。

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改造といっても少しで済みました。
なお、以下の部品を交換および追加しました。
| 部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| C136 |
470uF/16V (85℃) |
470uF/25V (105℃) |
電解コンデンサ |
| C137 |
470uF/16V (85℃) |
470uF/25V (105℃) |
| (追加) |
(なし) |
470uF/25V (105℃) |
| (追加) |
(なし) |
68Ω/2W |
金属皮膜抵抗 |
| (追加) |
(なし) |
68Ω/2W |
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右の写真は修理後です。
スッキリしたでしょ!
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修理後の動作チェック
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[±8V] [+12V] は正常に出力できるようになりました。
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[フロントエンド電源] の [Q47] 出力電圧が 0V で NG です。
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これは電源側の問題ではなくフロントエンド側の短絡です。
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おそらく、これが寄贈者で電源トランスを交換しても直らなかった原因でしょう。
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寄贈者で [Q47] を交換した形跡がありました。
残念ながら [Q47] ではなくフロントエンド側の故障でした。
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幸いなことに、[Q47] の FET は定電流ダイオードとして動作しているので出力が短絡しても壊れることはありません。
リペア (その2):[Q47] 出力がフロントエンド側で短絡している
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概要
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電源回路は直ったのですが [フロントエンド電源] の [Q47] 出力電圧が 0V だとフロントエンドが動作できません。
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当然 [S メータ] が振れず受信できません。
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調査と原因
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[フロントエンド電源] の [Q47] 出力は下の回路図のように赤〇で囲んだ [D1] [C1] に接続されています。
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ここが 0V だと OSC 発振できず受信できません。
[D1] [C1] のいずれかが短絡故障しているのが原因です。

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修理
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下の交換リストのように [D1] [C1] を交換しました。
短絡故障していたのは [D1] でした。
| 部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| C1 |
470uF/16V (85℃) |
470uF/16V (105℃) |
電解コンデンサ |
| D1 |
RJ12J |
ZD 12V/0.5W |
ツェナーダイオード |
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右の写真はリペア (その1) (その2) で交換前に基板に実装されていた古い部品です。
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修理後の動作確認
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フロントエンドの [Vcc2] に +12V が印加されるようになりました。
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[S メータ] [T メータ] が振れ [STEREO] ランプが点灯して受信できるようになりました。
リペア (その3):周波数ダイヤル板脱落の補修
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原因
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周波数ダイヤル板は両面粘着テープで貼り付けられています。
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この両面粘着テープが経年変化で溶け出して周波数ダイヤル板が脱落したのが原因です。
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修理
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周波数ダイヤル板を取り外し、古い両面粘着テープを除去してから粘着跡を無水アルコールで洗浄しました。
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新しく「布にも使える強力両面粘着テープ」で貼り直しました。
リペア (その4):バリコン軸の接触回復
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右の写真のようにバリコン軸とアースプレートの間に緑青サビが出ています。
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サビは絶縁物なので接触不良となり、以下の現象が出ます
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周波数の低い辺りで指針を動かすとゴソゴソという雑音が出る。
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感度が落ちたり、受信が不安定になったりする。
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以下のようにバリコン軸の接触回復作業をしました
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エレクトロニッククリーナ
を軸受けに噴射し何度もバリコン羽を動かすと緑青サビが湧き出てきます。
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湧き出た緑青サビを 爪楊枝/歯間ブラシ/歯間糸楊枝 を使って丹念に落とします。
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[1] と [2] を何度も何度も繰り返します。
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接点復活スプレー
を軸受けに少量吹きかけ馴染ませます。
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仕上げに、軸受けにリチウムグリスを塗布して防錆処置します。
リペア (その5):ハンダクラック予防補修
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ハンダクラックしやすい箇所
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左の写真は RCA 端子裏側で、リードが直接基板にハンダ付けされています。
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このハンダ付け部分にはリアパネルと基板の2方向から常にストレスが掛かっているのでハンダクラックしやすいです。
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右の写真は放熱器が取り付けられたパワートランジタ [Q42] で、リードが直接基板にハンダ付けされています。
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このハンダ付け部分には放熱器と基板の2方向からストレスが掛かるのでハンダクラックしやすいです。

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修理 (予防補修)
リペア (その6):その他
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概要
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ここまでのリペアでやっと動作確認できるようになったので、気付いた小さなリペアを順にやりました。
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[MODE] スイッチに接触不良を感じる
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突然 [MUTE ON] ランプの緑色が点滅して [MODE] スイッチを軽く触ると直りました。
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[MODE] スイッチの接触不良です。
交換用のスイッチは入手できないのでスイッチそのものを修理しました。
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念のため、同じスイッチを使う [MODE] [IF BAND] [FM RF SEL] の3個について修理しました。
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スイッチの隙間に
エレクトロニッククリーナ
を吹きかけ何度も ON/OFF して接点をクリーニングしました。
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最後に
接点復活スプレー
を吹きかけて直りました。
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[MUTE LEVEL] スライドボリュームに不連続感がある
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いわゆるボリュームのガリです。
ボリュームの摺動子に
接点復活スプレー
を吹きかけて直りました。
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[STEREO] ランプが点きにくい、または点滅することがある
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MPX VCO の調整ズレです。
再調整して直りました。
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長時間使っていると [S メータ] がゼロになったり小刻みに揺れだす
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[ノン・スペクトラム IF VCO] [PLL 検波 VCO] の調整ズレです。
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[ノン・スペクトラム IF VCO] は [PLL 検波 VCO] 出力で発振周波数を制御されるので密接な関係があります。
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いずれも LC 発振なので長年使うと調整がズレても仕方ないです。
再調整して直りました。
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フロントパネルの天板への折り返しエッジにポロポロとアルマイトハゲがある
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補修塗りするほどではないので、黒のマジックペンでハゲ部分を化粧して、かなりマシになりました。
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使っていて化粧が薄くなってきたら再化粧してください。
黒のマジックペンで塗るだけなので誰にでもできるでしょう。
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RCA 端子に若干サビが出ている
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RCA 端子を
ピカール液
を使ってマイクロ研磨しました。
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RCA 端子には金メッキが施されていたので、ほぼピカピカになりました。
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RCA 端子にダストキャップを被せて直接空気に触れないようにしました。
防サビ効果があります。
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天板は汚れとサビが出て塗装ムラになっている部分がかなり多い
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ジャパンワックス
を使ってワックス掛けしました。
ピカッとした艶が出て少し良くなりました。
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なお、サビが出て塗装ムラになっている部分は若干改善されましたが完全にムラを無くすのは無理です。
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完全に直したいなら、やはりラッピングシート貼り付けか再塗装が必要です。
再調整
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電圧チェック (VP)
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電源修理後は下のように正常でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| Q42-E |
+12V |
+11.6V |
〇 |
Tuner |
| IC24-OUT |
+8V |
+7.93V |
〇 |
AF / Control |
| IC23-OUT |
-8V |
-8.22V |
〇 |
| Q47-D |
+12V |
+12.1V |
〇 |
Front End (OSC) |
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FM 受信部の調整
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調整結果
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到着時は無残な状態でしたが、修理&再調整により新品時の性能に蘇りました。
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ステレオセパレーションと高調波歪率が大きく向上し、解像度が高く素晴らしく良い音になりました。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
59 |
56 |
dB |
| NARROW |
52 |
52 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.010 |
% |
| stereo |
0.010 |
% |
| NARROW |
mono |
0.049 |
% |
| stereo |
0.052 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-86 |
-84 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0 |
+0.05 |
dB |
| REC CAL 信号 |
WIDE |
mono |
422 |
Hz |
| -6.7 |
dB |
使ってみました
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修理&再調整が終わって
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到着時は電源トランス周りがグチャグチャで恐ろしい状態でした。
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ここを修理しても他に故障があるかもしれない不安がありました。
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一か八かで修理に挑戦してみると、電源トランス周り以外の不具合は軽微でした。
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むしろ、フロントエンドのバリコンの状態や基板の状態はかなり良かったです。
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手間と時間はかかりましたが、全て直せて L-03T の高性能と高音質が蘇りました。
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外観を気にしないで使うなら、性能的にも音質的にもとても良い状態に仕上がりました。
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デザイン
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ダイヤルスケールは最前面で照明はありませんが見易いです。
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黒いダイヤルスケールと赤い指針のマッチングが良いです。
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チューニングノブはタッチセンサになっています。
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[LOCK] スイッチ ON で同調サーボロックがかかります。
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感度や音質
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このクラスになると流石に良い
です。
安定度とか音質とかスペック表現できない部分が超優れています。
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感度が良く、高解像度でカチッとした超高音質です。
高域も低域もよく出ています。
S/N も良いです。
性能は超一流です。
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高解像度の音なのにハーモニー再現力もあります。
音に余裕があると言うか、この辺りが一般機との差です。