KENWOOD L-03T (12号機) が到着
2026年8月10日、福岡市早良区の H さんより
KENWOOD L-03T
の修理依頼品が到着しました。
定価12万円
の
FM 専用高級チューナ
です。
この写真は照明を LED 化した後です。
程度&動作チェック
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修理依頼者のコメント
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2022年11月にヤフオクで落札しました。
出品者の商品説明は以下でした。
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REC CALが動作しない事に気付きました。
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特に手を入れていませんがこの機種特有の故障の表示パネルを修理したか否かは不明です。
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修理したとすれば両面テープで固定していると思います。
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2023年6月にメーカーのサービスに以下の内容で修理調整を依頼しました。
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電源スイッチを入れて、SIGNAL メーターが振れるまでに数秒(3~5秒)くらいかかります。
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現状は変わっていません。
特に支障がないのでそのままにしています。
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CATV からなので電波は十分強く、我が家の受信環境では SIGNAL メーターは最終的にほぼ5の直前まで振れるのですが、電源を入れたすぐは4前後で時間とともに5の直前を指すという具合で、時間がかかります。
これもどこか不具合による症状でしょうか?
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現状は変わっていません。
特に支障がないのでそのままにしています。
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周波数ずれ(実際の受信周波数と目盛の周波数がややずれている)が起きていると思われます。
前の所有者によると、自分でメーターの目盛を貼りなおしたかもしれない、とのことでした。
ですので、単に目盛がずれているだけの可能性もあります。
実際に周波数がずれているのか、目盛がずれているのか、周波数と目盛と両方がずれているのか調べてもらって直していただきたいです。
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メーカーで調整されましたが、目視上はややずれているように感じます。
特に支障がないのでそのままにしています。
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Σケーブルでアンプに接続していますが、思ったより音が良くないように聴こえます。
L-03T の方が高級機のはずですが KT-1100 より音が劣るような気がします。
高音と低音の出方がやや弱いような気がします。
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上記以外に全体的に調べていただいて、調整が必要な個所は直していただきたいです。
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依頼内容
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REC CAL が動作しないなら修理をお願いします。
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メーター照明の LED 化をお願いします。
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以前メーカーに依頼した [1]~[4] を再度確認してください。
そういう仕様ならそのままで結構です。
修理が必要ならお願いします。
念のため互換品のΣケーブルを同梱します。
通常はこのΣケーブルで接続しています。
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特に気になるのは周波数ずれがあるかどうかです。
前の所有者が表示パネルを両面テープで修理したとのことなので、表示自体もずれている可能性もあり、機体自体の実際の受信もずれている可能性もあり、可能ならこの際受信周波数とメーターの表示がぴったり合うように修理をお願いします。
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現状で最良になるように全体的な調整をお願いします。
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外観のチェック
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製造シリアル番号は [40100176] で、電源コードの製造マーキングより [1983年製造品] と判明しました。
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Σケーブルが添付されていました。
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フロントパネル
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真正面から見ると綺麗ですが、天板への折り返しエッジ右側に僅かなアルマイトハゲがあります。
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[TUNING] ノブのエッジの所々にアルマイトハゲがあります。
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[周波数ダイヤル板] にズレや剥がれはなく良好です。
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リアパネル自体は綺麗ですが、RCA 端子にクスミがあります。
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天板には薄い線キズや汚れがありますが、致命的な損傷はありません。
底板は綺麗です。
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底板に KENWOOD サービスの [62.6.10] と書かれたメンテナンスシールが貼られていました。
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1987年6月10日にメーカ修理されているようです。
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修理依頼者の言う2023年6月のメーカメンテナンスのシールは貼られていません。
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2023年6月のメンテナンスは公式にはやっていないことになります。
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おそらく、メーカのサービス担当者が好意で無償でやったのだと思います。
公式点検ではなかったのです。
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電源 ON してチェック
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電源は正常に入りました。
ランプ切れはなく各スイッチも正常に反応します。
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[S メータ] [T メータ] は正常に振れ [STEREO] [SERVO LOCK] ランプが点灯して正常な音が出ます。
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修理依頼者のコメントにある不具合 (かもしれない) のチェック
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REC CALが動作しない
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確認できませんでした。
[REC CAL] スイッチ ON で正常にテスト音が出ます。
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電源スイッチを入れて、S メータが振れるまでに数秒(3~5秒)かかる
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実測4秒84です。
L-03T としては正常です。
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S メータの振れが、電源 ON 直後は4前後で、時間経過と共に5の直前を指す
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筆者の電波環境では電源 ON 直後から S メータの振れは 4.9 で、確認できませんでした。
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間違いなく、筆者の電波環境より修理依頼者の電波レベルが低いです。
筆者の電波レベルは 85dB 程度あります。
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また、機器の動作が安定するには30分は必要です。
時間と共に S メータの振れが大きくなるのは全く問題ないです。
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周波数ズレがある
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修理依頼者は周波数ズレが完全に無いようにできると誤解されているようです。
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バリコンや糸掛け機構というメカニカルなアナログ機構なので、精度による誤差は必ず生じます。
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周波数ズレが許せないなら、電子同調のシンセサイザ式チューナを使うしかないです。
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修理依頼者は「周波数目盛板がズレているのでは」と心配されていますが、これはないです。
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[周波数目盛板] を取り付け直してもズレは 1mm も発生しない構造になっています。
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78~88MHz でズレが ±0.1MHz 以内、この周波数外ではズレが ±0.2MHz 以内は正常範囲です。
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本機の周波数ズレを測定した結果は以下です。
これを見ると概ね正常範囲に入っています。
| SSG 周波数 (MHz) |
76 |
78 |
80 |
82 |
84 |
86 |
88 |
90 |
| 指針が示す周波数 (MHz) |
75.96 |
78.00 |
80.02 |
82.02 |
83.98 |
85.90 |
87.86 |
89.86 |
| 周波数ズレ (MHz) |
-0.04 |
0 |
+0.02 |
+0.02 |
-0.02 |
-0.10 |
-0.14 |
-0.14 |
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Σケーブルでアンプに接続しているが、思ったより音が良くない。
KT-1100 より音が劣るような気がする。
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これは個人個人の感性というアナログ的評価なので何ともコメントできません。
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KT-1100 より音が劣るとのことですが、[KT-1100 はパルスカウント検波] [L-03T は PLL 検波] で音が違うのは事実です。
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たぶん、修理依頼者の耳がパルスカウント検波好みなのではないでしょうか。
筆者もパルスカウント検波の音のほうが好みです。
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筆者の環境で試聴してみましたが、特に問題を感じません。
なお、再調整で音質が改善する場合があります。
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下は到着時のオーディオ性能を測定したものです。
これを見る限り問題は無さそうに思います。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
44 |
42 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.015 |
% |
| stereo |
0.015 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-53 |
-61 |
dB |
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カバーを開けてチェック
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バリコンの軸と接触プレートの間に緑青サビが出ています。
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基板は綺麗で目視で明らかに劣化とわかる部品は見当たりません。
リペア (その1):メータ照明 LED 化
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リプレースに使う LED と照明回路
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左の写真の [テープ LED] を使います。
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幅は 10mm で 12.5mm 単位にカットできます。
1単位あたり LED 3個が搭載されています。
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4単位にカットしたものを2個使います。
発色はウォームホワイトです。
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右の回路図が照明回路です。
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LED は DC 駆動する必要があり、この電源を [C136] 電解コンデンサの両端から取ります。
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メータあたりテープ LED を4単位使うので、LED×12個分に相当します。
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電圧・電流の実測値は回路に記入しており、消費電力は 12.8V×7.2mA=0.09W です。

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テープ LED 取り付けの様子
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下の写真はテープ LED を取り付けと配線の様子です。
メータの上部に貼り付いているのがテープ LED です。
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経年変化しない260℃耐熱ポリイミドテープを使ってテープ LED を貼り付けています。
セロテープではありません。
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配線材はこれもやや高価な耐熱電線です。
メータ間の電線が長いですが、取り付けの作業をやりやすくするためです。
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写真からはわかりませんが、メータ内部のフィラメントランプガイドをニッパで切り取っています。
外部から照射するので邪魔なのです。

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メータを L-03T に組み込みました
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左の写真はメータ取り付けの上側で、右の写真は基板裏に取り付けた電流制限抵抗 680Ω の取り付け状態です。
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この抵抗を増減することで明るさを変更できます。
電線を余らせているのは、今後のメンテナンスを考慮してです。

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LED 化完成
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目論見通りムラのないスッキリとした綺麗なメータ照明になりました。
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ウォームホワイト色は電球色ぽくって目に優しいです。
[STEREO] ランプなどと合う明るさに調節してあります。
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なお、T メータのセンタ位置が僅かに右にズレていたので、メータの指針位置調整で直しました。

リペア (その2):バリコンの軸と接触プレートの間に緑青サビが出ている
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概要
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右の写真のように、バリコン軸と接触プレートの間に緑青サビが出ています。
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サビは絶縁物なので接触不良となり、以下の現象が出ます
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周波数の低い辺りで指針を動かすとゴソゴソという雑音が出る。
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感度が落ちたり、受信が不安定になったりする。
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修理
以下のようにバリコン軸の接触回復作業をしました。
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エレクトロニッククリーナ
を軸受けに噴射し何度もバリコン羽を動かすと緑青サビが湧き出てきます。
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湧き出た緑青サビを 爪楊枝/歯間ブラシ/歯間糸楊枝 を使って丹念に落とします。
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[1] と [2] を何度も何度も繰り返します。
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接点復活スプレー
を軸受けに少量吹きかけ馴染ませます。
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仕上げに、軸受けにリチウムグリスを塗布して防錆処置します。
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修理後の動作チェック
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緑青サビがバリコンの動作に影響を与えていたようで、周波数ズレのバラつきが、やや改善しました。
リペア (その3):ハンダクラック予防補修
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ハンダクラックしやすい箇所
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左の写真は RCA 端子裏側で、リードが直接基板にハンダ付けされています。
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このハンダ付け部分にはリアパネルと基板の2方向から常にストレスが掛かっているのでハンダクラックしやすいです。
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右の写真で黄〇で囲んだ箇所にあるのはパワートランジタで、リードが直接基板にハンダ付けされています。
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パワートランジスタ自身の発熱でハンダ付け部分が徐々に劣化してハンダクラックしやすいです。

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修理 (予防補修)
再調整
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電圧チェック (VP)
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電源修理後は下のように正常でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| Q42-E |
+12V |
+11.6V |
〇 |
Tuner |
| IC24-OUT |
+8V |
+8.15V |
〇 |
AF / Control |
| IC23-OUT |
-8V |
-8.15V |
〇 |
| D1-K |
+12V |
+12.3V |
〇 |
Front End (OSC) |
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FM 受信部の調整
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調整結果
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OSC トラッキング調整で周波数ズレは以下となりました。
到着時より少しマシになりました。
| SSG 周波数 (MHz) |
76 |
78 |
80 |
82 |
84 |
86 |
88 |
90 |
| 指針が示す周波数 (MHz) |
75.96 |
78.02 |
80.06 |
82.06 |
84.00 |
85.94 |
87.90 |
89.90 |
| 周波数ズレ (MHz) |
-0.04 |
+0.02 |
+0.06 |
+0.06 |
0 |
-0.06 |
-0.10 |
-0.10 |
-
2023年6月にメーカ調整されているからか、ズレはほとんどありませんでした。
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それでも、再調整で到着時よりはるかに良い性能が出ました。
音もビックリするほど良くなりました。
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高調波歪率がかなり低く、ステレオセパレーションは 60dB 以上と、高級機に相応しい性能が出ました。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
61 |
63 |
dB |
| NARROW |
55 |
57 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.0067 |
% |
| stereo |
0.0067 |
% |
| NARROW |
mono |
0.052 |
% |
| stereo |
0.052 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-84 |
-87 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0 |
+0.04 |
dB |
| REC CAL 信号 |
WIDE |
mono |
445 |
Hz |
| -7.2 |
dB |
使ってみました
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修理&再調整が終わって
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修理依頼者がチェックしてほしいという項目が多くてビックリしました。
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内容的にバリコン式チューナには無理難題な要求ばかりでした。
メーカサービスでも、この要求に困ったと思います。
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おそらく、修理依頼者はチューナの使用経験が少なくて、よくわかっておられないのだと思います。
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完璧を求めるならアナログのバリコン式チューナではダメで、シンセサイザ式チューナか FPGA チューナを使うべきです。
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再調整が終わった本機は素晴らしい高性能と高音質が出ました。
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これで音が劣ると感じられるのなら、修理依頼者と本機は相性が悪いのだと思います。
(音の好みが違う。)
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デザイン
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ダイヤルスケールは最前面で照明はありませんが見易いです。
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黒いダイヤルスケールと赤い指針のマッチングが良いです。
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チューニングノブはタッチセンサになっています。
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[LOCK] スイッチ ON で同調サーボロックがかかります。
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感度や音質
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このクラスになると流石に良い
です。
安定度とか音質とかスペック表現できない部分が超優れています。
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感度が良く、高解像度でカチッとした超高音質です。
高域も低域もよく出ています。
S/N も良いです。
性能は超一流です。
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高解像度の音なのにハーモニー再現力もあります。
音に余裕があると言うか、この辺りが一般機との差です。