Pioneer F-777 (3号機) が到着
2025年9月13日、岡山県井原市の A さんより
Pioneer F-777
の修理依頼品が到着しました。
程度&動作チェック
-
修理依頼者のコメント
-
今年の1月にハードオフで「未チェック」の本機を購入して、当初は両チャンネルから音が出てました。
-
何度か使っているうちに左チャンネルの音が出なくなりました。
(右チャンネルからは音が出ます。)
-
外観
-
製造シリアル番号は [SASS005366JP] で、電源コードの製造マーキングより [1997年製造品] と判明しました。
-
[純正 AM ループアンテナ] [リモコン] の添付はありませんでした。
-
天板にやや汚れがあるかな程度で、全体的に非常に綺麗な逸品です。
-
リアパネルの端子類には輝きが残っています。
-
電源 ON してチェック
-
電源は問題なく入り、ディスプレイの輝度は新品同様で、ボタンやチューニングノブは正常に反応します。
-
FM 受信
-
問題なく受信でき、ステレオにもなり、音も良いです。
オートチューニング動作も良好です。
-
[S メータ] の dB 表示を信じると 10dB 程度感度落ちしています。
-
修理依頼者の言う「左チャンネルの音が出ない」は確認できませんでした。
-
AM 受信
-
手持ちの [SONY ST-SA5ES 純正 AM ループアンテナ] を接続して確認しました。
-
このアンテナとの相性は良く、特に問題なく感度よく受信できました。
-
AM ステレオ放送は2024年3月末で終了しているので、ステレオ受信は確認できませんでした。
-
カバーを開けてチェック
-
内部は非常に綺麗で、基板には目視で明らかに劣化とわかる部品は見当たりませんでした。
リペア
-
左チャンネルの音が出なくなった
-
1回目4時間、2回目3時間、ロングランしても現象が再現しませんでした。
-
再現しないことにはどこを調べてよいかわからず原因追究は無理なのです。
-
そこで修理依頼者とどうするか協議しました。
-
結果、「このまま返却して様子をみて発生し放しになったら再度修理依頼いただく」となりました。
再調整
-
電圧チェック (VP)
-
実測値は以下のように良好です
| VP |
標準電圧 |
実測電圧 |
判定 |
| TP703 |
+13V |
+13.2V |
〇 |
| TP709 |
+26V |
+24.0V |
〇 |
| TP801 |
+5V |
+4.93V |
〇 |
-
FM/AM 受信部の調整
-
調整結果
-
FM 受信
-
FM フロントエンドと IF 部にやや大きな調整ズレがありました。
再調整で感度が上がりました。
-
MPX に調整ズレがありました。
再調整でステレオセパレーションが大きく上がりました。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
NORMAL |
stereo |
54 |
54 |
dB |
| SUPER NARROW |
39 |
39 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0.083 |
% |
| stereo |
0.083 |
% |
| SUPER NARROW |
mono |
0.31 |
% |
| stereo |
0.31 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
NORMAL |
stereo |
-70 |
-67 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
NORMAL |
mono |
0 |
+0.05 |
dB |
-
AM 受信
-
[純正 AM ループアンテナ] の添付がないので IF 調整だけ実施しました。
使ってみました
-
修理&再調整が終わって
-
左チャンネルから音が出ないとのことでしたが、半日以上通電しても確認できませんでした。
-
再現しないことには修理のしようがなく、今回は再調整だけになりました。
-
本機はハードオフ購入にしては非常に綺麗な逸品で、再調整後は音質も良かったです。
-
デザイン
-
フロントパネルはゴールドのヘアライン処理アルミで好みです。
-
チューニングノブはアルミ材で質感が良いです。
-
サイド飾りがあって、高級感をやや醸し出しています。
-
FM 受信
-
感度も妨害電波排除能力も問題ありません。
-
クォードラチュア検波特有のソフトな音ですが、十分な高音質です。
-
AM 受信
-
感度は良いです。
ループアンテナでしっかり入感します。
音質は良いです。