Pioneer TX-8900 (4号機) が到着
2026年6月11日、長崎県大村市の F さんから
Pioneer TX-8900
の修理依頼品が到着しました。
PBLD 検波
搭載の FM/AM チューナです。
程度&動作チェック
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修理依頼者のコメント
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FM は受信しますが、ゴボゴボと雑音が入ります。
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AM は受信しますが、出力がかなり弱かった気がします。
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FM アンテナ用に F 端子を増設お願いします。
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外観のチェック
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製造シリアル番号は [UL1005448M] で、電源コードの製造マーキングより [1974年製造品] と判明しました。
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フロントパネルの右から1/5くらいで上側エッジに数ヵ所 当てキズがありますが、真正面から見ると目立ちません。
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[POWER] スイッチのレバーが少し左に傾ています。
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リアパネルは綺麗です。
RCA 端子には少し輝きが残っていますが少しサビもあります。
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再塗装されたとのことで、天板はピカッと光っています。
底板は時に問題ありません。
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電源 ON してチェック
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電源は問題なく入り、ランプ切れはないです。
各スイッチの動作も正常そうです。
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[FUNCTION] スイッチ = REC LEVEL CHECK とすると正常なテスト音が出ます。
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FM 受信
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[S メータ] [T メータ] の動作は正常で [STEREO] ランプが点灯して良好に受信できました。
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電源 ON してから 10分くらいから左チャンネルにジャリジャリという雑音が入るようになりました。
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おそらく、これが修理依頼者の言う「ゴボゴボと雑音が入る」と思います。
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雑音が出ても [STEREO] ランプは点灯しているので検波までは正常でしょう。
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[FUNCTION] スイッチ = MONO でも左チャンネルに雑音が入ります。
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[FUNCTION] スイッチ = REC LEVEL CHECK または AM とすると雑音は出ません。
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80.0MHz の放送が 80.1MHz くらいで受信します。
全体的に +0.1MHz 程度の周波数ズレがあります。
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AM 受信
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感度良く受信できました。
特に問題なさそうです。
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修理依頼者の言う「出力がかなり弱かった」は確認できませんでした。
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カバーを開けてチェック
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内部は綺麗で、基板を目視して明らかに劣化とわかる部品は見当たりません。
リペア (その1):左チャンネルにジャリジャリという雑音が入る
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調査と原因
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雑音が出ても [STEREO] ランプは点灯しているので検波までは正常でしょう。
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雑音が出るのは左チャンネルだけで、右チャンネルは雑音が出ません。
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これより、[MPX 基板] [AF 基板] のいずれかに要因があるとわかります。
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[FUNCTION] スイッチを・・・
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[AUTO] [MONO] にすると雑音が出ます。
[AM] [REC LEVEL CHECK] にすると雑音は出ません。
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これより、[AF 基板] は問題なく、[MPX 基板] に要因があるとわかります。
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[MPX 基板] のブロック図は以下です。
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左チャンネルだけに雑音が出るということは、[Q3] [L.P.F.] いずれかの故障です。
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普通は [Q3] トランジスタ故障でしょう。

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修理
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下の交換リストのようにトランジスタを交換しました。
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故障しているのは [Q3] ですが、左右チャンネルで部品を揃えたいので [Q4] も交換しました。
| 基板 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| MPX 基板 |
Q3 |
2SA763 |
2SA1015-GR |
L ch、トランジスタ |
| Q4 |
2SA763 |
2SA1015-GR |
R ch、トランジスタ |
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左の写真は交換後で黄〇で囲んだ部品です。
左側が [Q3]、右側が [Q4] です。
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右の写真は交換前に基板に実装されていた古いトランジスタです。
左側が [Q3]、右側が [Q4] です。

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修理後の動作確認
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電源 ON して1時間経っても雑音が出ず良い音が出ており直ったと判断しました。
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しばらく使っていたら、別の不具合が発生!!!
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今度は、バリバリという雑音が出ました。
[STEREO] ランプが消灯して両チャンネルから雑音が出て放送は聞こえません。
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明らかに別の不具合で、なぜか、別の箇所が故障したようです。
リペア (その2):両チャンネルにバリバリという雑音が入る
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調査と原因
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[STEREO] ランプが消灯して両チャンネルから雑音が出て放送は聞こえません。
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[MULTIPATH-H] 端子には検波出力が出ていますが、この端子をモニタすると同じ雑音が出ていました。
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これより、[PBLD 検波] に要因があるとわかります。
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下の回路図は [PBLD 検波] 出力を増幅するアンプ部分です。
[PBLD 検波] は [VR3] ボリュームより左側にあります。
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現象からは [Q9] [Q10] トランジスタいずれかの故障です。

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修理
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[Q9] [Q10] トランジスタは DC 結合されているので、どちらが故障しているか見極めが難しいです。
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見極めするより、サクッと下の交換リストのようにトランジスタを2個とも交換しました。
| 基板 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| チューナ基板 |
Q9 |
2SA725 |
2SA1015-GR |
PBLD 検波増幅 |
| Q10 |
2SC1312 |
2SC1815-GR |
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左の写真は交換後で黄〇で囲んだ部品です。
左側が [Q9]、右側が [Q10] です。
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右の写真は交換前に基板に実装されていた古いトランジスタです。
左側が [Q9]、右側が [Q10] です。

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修理後の動作確認
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ロングランして1時間経っても雑音が出ず良い音が出ており直ったと判断しました。
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しばらく使っていたら、別の不具合が発生!!!
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今度は、電波が強いのに勝手に MUTING がバタバタと掛かって音が途切れる現象が出ました。
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明らかに別の不具合で、なぜか、別の箇所が故障したようです。
リペア (その3):MUTING がバタバタと掛かって音が途切れる
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調査と原因
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[MUTING LEVEL] スイッチが ON (1または2) の時に、電波が強いのにも関わらず勝手に MUTING が掛かったり直ったりを繰り返します。
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音が途切れるのに同期して [STEREO] ランプが点いたり消えたりします。
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[MUTING LEVEL] スイッチを OFF にすると音が出たままになりますが、[STEREO] ランプは消えたままです。
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これより、MUTING ロジックに要因があるとわかります。
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下の回路図は MUTING ロジック部分です。
現象からは、以下のいずれかのトランジスタ故障です。
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赤〇で囲んだノイズアンプ用 [Q12] [Q13] [Q14] トランジスタ
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青〇で囲んだシュミットトリガ用 [Q15] [Q16] トランジスタ

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修理
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サクッと下の交換リストのように疑われるトランジスタを5個とも交換しました。
| 基板 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| チューナ基板 |
Q12 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
MUTING 用ノイズアンプ |
| Q13 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
| Q14 |
2SA725 |
2SA1015-GR |
| Q15 |
2SC711 |
2SC1815-GR |
MUTING 用シュミットトリガ |
| Q16 |
2SC711 |
2SC1815-GR |
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左の写真は交換後で、赤〇と青〇で囲んだ部品です。
右の写真は交換前に基板に実装されていた古いトランジスタです。

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修理中に判明しました。
[Q15] [Q16] トランジスタが勝手に ON/OFF する故障でした。
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修理後の動作確認
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ロングランして1時間経っても音が途切れず [STEREO] ランプも安定して点灯したままで直ったと判断しました。
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もうこれで全ての故障が直ったことを祈ります。
リペア (その4):[チューナ基板] [MPX 基板] で残りのトランジスタ交換
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概要
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ここまでの交換で、[チューナ基板] [MPX 基板] で未交換のトランジスタは僅かになっています。
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そこで、新たな不具合発生防止を狙って [チューナ基板] [MPX 基板] で残りのトランジスタを全て交換します。
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トランジスタ交換
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左の表は交換リストで、右の写真はこれまで基板に実装されていた古いトランジスタです。
| 基板 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| チューナ基板 |
Q17 |
2SA720 |
2SA1015-GR |
MUTING リレードライブ |
| Q18 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
POWER ON/OFF MUTING |
| Q19 |
2SC711 |
2SC1815-GR |
| Q20 |
2SC711 |
2SC1815-GR |
| Q21 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
| Q22 |
2SC711 |
2SC1815-GR |
MUTING LEVEL |
| Q24 |
2SC461 |
2SC1923-Y |
IF BUFFER |
| MPX 基板 |
Q2 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
強制 MONO 切換 |
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これで [チューナ基板] [MPX 基板] のトランジスタを 100% 交換完了です。
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交換後の動作チェック
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良好に FM/AM とも受信できて動作異常がないことを確認しました。
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しばらく使っていたら、別の不具合が発生!!!
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今度は、音楽がなんだかスッキリと聴こえないのです。
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音が大きくなった時に左チャンネルにボソボソという雑音が混じるためとわかりました。
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明らかに別の不具合で、なぜか、別の箇所が故障したようです。
リペア (その5):[AF 基板] [電源基板] のトランジスタを全数交換
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概要
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左チャンネルにボソボソという雑音が混じる不具合は [AF 基板] の [Q1] [Q3] [Q5] トランジスタの故障でした。
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[Q1] [Q3] [Q5] トランジスタ交換したら直りました。
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交換したトランジスタは足が真っ黒になっておりマイグレーション発生が進行していました。
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おそらく全てのトランジスタマイグレーションで故障または故障しかかっていると思われます。
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このため通電時間と共にボロボロ故障して顕在化しているのです。
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ここまで不具合が発生する度にトランジスタを交換してきましたが、
もう疲れました!
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ここまでで [チューナ基板] [MPX 基板] に実装されているトランジスタは全て交換済みです。
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[AF 基板] [電源基板] のトランジスタを全て交換したら、本機のトランジスタは全て交換済みとなります。
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[AF 基板] [電源基板] のトランジスタを全て交換して楽になりましょう。
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[AF 基板] [電源基板] のトランジスタ交換は難易度が高い!
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基板の裏側が見えない設置になっているので、基板を交換できる程度に取り出す必要があります。
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ところが基板には多数のラッピング配線があり、基板を斜めに持ち上げた状態での交換を強いられます。
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この状態での作業はかなり難しいので、一般のかたではまず無理です。
また、かなり時間がかかります。
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トランジスタ交換
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左の表は交換リストで、右の写真はこれまで基板に実装されていた古いトランジスタです。
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なお、[電源基板] には [Q1] 2SC789 パワートランジスタがあるのですが、これは交換していません。
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パワートランジスタには大電流が流れるのでマイグレーションの影響を受けにくいです。
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ですから、ここでいうトランジタ全数交換とは中小電力トランジスタが対象です。
| 基板 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| AF 基板 |
Q1 |
2SA725 |
2SA1015-GR |
L ch. アンプ |
| Q3 |
2SC1312 |
2SC1815-GR |
| Q5 |
2SC1312 |
2SC1815-GR |
| Q2 |
2SA725 |
2SA1015-GR |
R ch. アンプ |
| Q4 |
2SC1312 |
2SC1815-GR |
| Q6 |
2SC1312 |
2SC1815-GR |
| Q7 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
REC LEVEL CHECK OSC |
| Q8 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
| Q9 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
| Q10 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
| 電源基板 |
Q2 |
2SC1318 |
2SC1815-GR |
+13V 電源 |
| Q3 |
2SC945 |
2SC1815-GR |
| Q4 |
2SA733 |
2SA1015-GR |
-13V 電源 |
| Q5 |
2SA684 |
2SA1020-Y |
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これで本機のトランジスタを 100% 交換完了です。
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交換後の動作チェック
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良好に FM/AM とも受信できて動作異常がないことを確認しました。
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1日ロングランしても新たな不具合は発生しなかったので、やっと全て直ったと判断しました。
疲れました!!!
リペア (その6):F 端子増設
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概要
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TX-8900 は性能や音質は良いのにアンテナ端子は古臭いターミナル接続で残念だなぁ~と思っていました。
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今回、修理依頼者から F 端子増設の依頼がありました。
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[F 端子] をリアパネルに取り付け
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左の写真の位置で、リアパネルの上から 50mm、左から 25mm の位置です。
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既存のアンテナ端子はそのまま残しており、配線もそのままです。
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新しい F 端子の取り付け穴は直径 9.2mm です。
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まずは 1.5mm の穴を開け、ドリル刃を徐々に大きくして 4mm にしてから
ステップドリル刃
で 9mm にしました。
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更にリーマで少し削り 9.2mm にしました。
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このように徐々にやったほうが綺麗な穴が開きます。
多少バリが出ますが、
ノガバー
でバリ取りしています。
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右の写真はリアパネル裏側での配線の様子です。
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都合の良いことに底方向に既存の配線穴があったので、この穴を利用しました。
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配線は同軸線ではなくて、耐熱電線をよじって使いました。
配線長は 10cm 以下で短いので全然問題ないです。
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仕上げに強度を持たせるため、ネジ留め部分に透明ネジロック剤を塗布しました。

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増設後の動作チェック
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やはり [F 端子] はイイです。
アンテナとの接続がシッカリできます。
リペア (その7):その他
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[POWER] スイッチのレバーが左に傾ている
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レバーが左に曲がっているためです。
大型ペンチを使って曲がりを修正して直りました。
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フロントパネル内外の清掃
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修理依頼者の要求でフロントパネル内外(特に内側)の清掃を実施しました。
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透明ガラスの内側に汚れ、ダイヤルスケールにゴミがありましたが、清掃して綺麗になりました。
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RCA 端子にサビがある
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ピカール液
でマイクロ研磨してサビ落とししました。
かなりマシになりました。
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全体的に +0.1MHz 程度の周波数ズレがある
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バリコンの精度に依るので完全にゼロにはできませんが、±0.1MHz 以内を目標に調整しました。
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OSC トラッキング調整で直りました。
再調整
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電圧チェック (VP)
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実測値は以下のように良好でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
| [電源基板] 2pin |
+13V |
+12.8V |
| [電源基板] 5pin |
-13V |
-12.5V |
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FM/AM 受信部の調整
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調整結果
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FM 受信
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同調点ズレがあり、T メータのセンタと歪最小位置が合わなくなっていたのが再調整で直りました。
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OSC トラッキング調整ズレがあり、再調整で誤差 (周波数ズレ) は ±0.1MHz 以内に収まりました。
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RF トラッキング調整で少し感度アップしました。
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ステレオセパレーションは再調整で向上しました。
その他の性能も以下のように良好になりました。
| 項目 |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
stereo |
58 |
57 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
mono |
0.10 |
% |
| stereo |
0.10 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
stereo |
-59 |
-58 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
mono |
0 |
+0.01 |
dB |
| REC LEVEL CHECK 信号 |
mono |
445 |
Hz |
| -6.0 |
dB |
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AM 受信
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特に大きなズレはありませんでした。
良好に受信できます。
使ってみました
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修理&再調整が終わって
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修理してもまた新たな不具合が出てくるというモグラ叩き状態になって大変疲れました。
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ハタと思いついて、トランジスタを全数交換してやっと不具合が収束しました。
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本機は製造後半世紀を過ぎており、こういうマシンにはトランジタの全数交換が効果があるとわかりました。
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デザイン
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ドッシリとして重厚な安定感があり、アンプ並みの大きさと重さです。
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フロントパネルはアルミ材で厚み 5mm もあります。
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ダイヤルスケールの透明板はガラスです。
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ダイヤルスケールの下側に飾りサッシを入れてデザインにアクセントを付けています。
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チューニングノブは無垢アルミで、適度な重みがありスムーズに回転します。
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各種ツマミ、スイッチ、レバーの動きは高級感ある操作感です。
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性能・音質
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FM 受信性能は優秀です。
動作に確実性があり、安心して使えます。
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FM の音は歪のない解像度の高い、クリアというか、かなりの高音質です。
ずっと聴き続けていたいような。
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AM 受信性能は良く、音質も一般のチューナよりはイイです。