Technics ST-G7 (5号機) をゲット!
2026年8月11日、山口県山口市の S さんより
Technics ST-G7
を研究用に寄贈いただきました。
パルスカウント検波
で定価73,800円です。
程度&動作チェック
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寄贈者のコメント
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基本的な動作はしていますが、メモリー保持機能に不具合があり、電源を切るとメモリーが保持されません。
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外観のチェック
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製造シリアル番号は [FD4524A115] です。
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[純正 AM ループアンテナ] [AC メガネコード] は付属していませんでした。
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汚れはありますが大きな損傷はなく比較的綺麗な並みの中古状態です。
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フロントパネルにある [power] ボタンに少し白いサビが出ています。
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リアパネルにある RCA 端子に少し白いサビが出ています。
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電源 ON してチェック
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電源は問題なく入り、ランプ切れはなく、各ボタンは正常に反応します。
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[rec nlevel] ボタンで正常にテスト音が出ます。
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AC プラグを抜くと、プリセットメモリの記憶が一瞬で消えます。
要修理です。
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FM 受信
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[STEREO] ランプが点灯し、綺麗な音で受信できます。
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大きな問題はないで、オーディオ性能を計測してみました。
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性能低下していますが、まだ実用的に使える範囲です。
| 項目 |
IF band |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
normal |
stereo |
32 |
33 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
normal |
mono |
0.39 |
% |
| stereo |
0.39 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
normal |
stereo |
-43 |
-47 |
dB |
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AM 受信
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[純正 AM ループアンテナ] の添付がなかったので、右の写真の筆者が標準にしているループアンテナを接続してチェックしました。
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SONY ST-SA5ES などの大型ループアンテナです。
中古市場によく出ています。
横幅 28cm、高さ 12cm くらいのサイズです。
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ローカル局は受信できましたが、相性が良くないのか感度はイマイチでした。
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カバーを開けてチェック
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あらためて分厚いシッカリした鉄製の天板カバーと思いました。
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内部は非常に綺麗で、基板には目視で明らかに劣化とわかる部品は見られません。
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電気二重層コンデンサ [C920] [C921] は交換されています。
なのに、なぜプリセットがバックアップされないのだろう?
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使われている IC の製造ロット番号より、本機は [1984年製造品] とわかりました。
リペア (その1):AC プラグを抜くとプリセットメモリの記憶が一瞬で消える
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概要
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プリセットメモリは電源消失時に電気二重層コンデンサでバックアップします。
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本機は誰かが電気二重層コンデンサ [C920] [C921] を新品に交換しています。
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上記にも関わらず、全くバックアップできないのが不思議です。
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修理
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左の写真は、修理前に実装されていた電気二重層コンデンサ [C920] [C921] です。
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右の写真は、[C920] [C921] の裏側です。
ヘタクソなハンダ付けで芋ハンダになっています。
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そして基板のパターンが剥がれて断線しています。
[C920] [C921] を交換しても無駄です。
これが原因です。

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以下のリストのように電気二重層コンデンサを交換しました。
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[オジジナル] [誰かの交換] では電気二重層コンデンサを2個使っていますが、これは直列にして耐電圧を 4.6V にするためです。
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[今回の交換] では耐電圧 5.5V の電気二重層コンデンサを使ったので、1個で済みます。
| 部品番号 |
オリジナル |
誰かの交換 |
今回の交換 |
備考 |
| C920 |
3.3F/2.3V |
10F/2.3V |
1F/5.5V |
電気二重層コンデンサ |
| C921 |
3.3F/2.3V |
10F/2.3V |
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左の写真で、黄〇で囲んだのが今回使った電気二重層コンデンサです。
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軟質ウレタンフォーム素材の超強力両面テープで貼り付けています。
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青枠で囲んだ場所にあった電気二重層コンデンサは除去しました。
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右の写真で、赤電線と黒電線は電気二重層コンデンサからの配線です。
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電線の下にあるパターンは写真のごとく剥がれています。
ですから電線で配線するしかないのです。

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修理後の動作チェック
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電源 ON すると電気二重層コンデンサに充電が開始されます。
フル充電には1時間弱かかります。
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電源 ON してから10分後に AC プラグを抜き、しばらくしてから AC プラグを挿入し、プリセットが消えないことを確認しました。
リペア (その2):ハンダクラック予防補修
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ST-G7 でハンダクラックしやすい箇所
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左の写真は [RCA 端子] [AM EXT 端子] の裏側です。
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ヒョロ長いリードが基板に直接ハンダ付けされています。
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このハンダ付け部分には、リアパネルと基板の2方向から常にストレスを受けるので、ハンダクラックしやすいです。
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右の写真の黄枠で囲んだパワートランジスタ
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これらのリードは基板に直接ハンダ付けされています。
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パワートランジスタ自身が発する熱でハンダ付け部分が劣化してハンダクラックしやすいです。

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予防補修
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上記で説明したハンダ付け部分を補修ハンダ付けしました。
これでまた10年以上は大丈夫です。
リペア (その3):リアパネルにある RCA 端子にサビが出ている
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概要
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従来はリアパネルを分解して RCA 端子をむき出しにしてサビ取りしていたので、膨大な作業時間がかかっていました。
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最近では、右の写真の筆者特製の [RCA 端子研磨ツール] を使っています。
特に製作した訳ではなく、ちょっと高級なメタル RCA プラグを流用しているだけです。
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リアパネルを分解する必要がなくなるので、作業時間が大幅に節約できます。
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サビ取り (マイクロ研磨)
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ツール内側に
ピカール液
を塗布してから RCA 端子に挿入し、ツールをグルグル回してマイクロ研磨します。
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マイクロ研磨が終わったら RCA 端子に残留しているピカール液を除去します。
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この作業を [出力 左・右] [コントロール入力] [AM LOOP] 端子に行いました。
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作業後の動作チェック
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RCA 端子に輝きが蘇りました。
新品同様とはいかないですが、かなり改善できました。
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RCA 端子にサビがあった時はプラグ挿入に大きな力が必要でしたが、研磨後は軽く挿入できるようになりました。
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RCA プラグとの接触不良が無くなり、音が良くなった気がします。
リペア (その4):その他
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フロントパネルにある [power] ボタンにサビが出ている
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フロントパネルを分解し、[power] ボタントップを外してサビ落としして綺麗になりました。
再調整
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電圧チェック (VP)
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以下のように実測値は良好でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| Q701-E |
+15.6V |
+15.7V |
〇 |
チューナ |
| Q706-E |
+5.6V |
+5.73V |
〇 |
MCU |
| Q702-E |
+8.6V |
+8.87V |
〇 |
オーディオ |
| Q703-E |
-8.6V |
-8.63V |
〇 |
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FM/AM 受信部の調整
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調整結果
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FM 受信部
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割と最近に再調整されているのか、大きな調整ズレはありませんでした。
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それでも性能値は到着時よりはるかに良くなり、音の解像度が上がりました。
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IF band : normal 時のセパレーションはかなり良好な数値です。
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IF band : super narrow 時は自動的に Hi-Blend がかかるので、セパレーションが大きく落ち込みます。
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できるだけ IF band : normal で使ったほうがよいです。
| 項目 |
IF band |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
normal |
stereo |
65 |
64 |
dB |
| super narrow |
19 |
18 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
normal |
mono |
0.11 |
% |
| stereo |
0.16 |
% |
| super narrow |
mono |
0.22 |
% |
| stereo |
0.29 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
normal |
stereo |
-72 |
-76 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 |
normal |
mono |
0 |
+0.56 |
dB |
| rec level |
normal |
mono |
352 |
Hz |
| -7.5 |
dB |
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AM 受信部
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[純正 AM ループアンテナ] がなかったので、IF 調整だけしました。
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どうせ、AM 放送は2028年に終了するので、あまり気にしないことにします。
使ってみました
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修理&再調整が終わって
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本機は電気二重層コンデンサの辺りがグチャグチャになっていましたが、その他は非常に良い状態でした。
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修理はスムーズに終わり、再調整でパルスカウント検波の素晴らしい高音質になりました。
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デザイン
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作りが良く、特にフロントパネルの作りが秀逸です。
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周波数表示は LCD で、バックライトは白熱ランプです。
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ステーション・プリセットボタンはプレス成型した無垢の1枚アルミ材です。
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サイド飾りも一般のプラスチックではなく、分厚いアルミ材です。
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シーリングパネルドアには分厚いガラス板を使い、高級感を出しています。
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FM アンテナ入力は F 端子なので、雑音電波が混入しないです。
奥行きが筐体部で 26cm 程度と短く、設置が楽です。
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電源コードはメガネ型で取り外しできます。
S メータは dBf 表示です。
ただし、あまり精度は高くないです。
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感度&音質
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FM 受信
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感度は良いです。
妨害電波排除能力も十分です。
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パルスカウント検波らしい
乾いた音
です。
歪感が少ない素晴らしい音
です。
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AM 受信
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[純正 AM ループアンテナ] がなので、基本ノーチェックです。
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放送が受信できることは確認しました。