foobar2000 で音楽専用 DLNA サーバ構築
プロローグ
RAID1 NAS の
BUFFALO LinkStation LS520D0402
に備わっている
DLNA
サーバの問題
この DLNA サーバでやりたいことはネットワークオーディオです。
音楽のネット配信です。 映像配信はやるつもりがありません。
保存曲数が数百とか少ない時は何の問題もなかったのですが、保存曲数が数万を超えると大変なことに ・・・
DLNA サーバは保存曲のデータベースを作成します。 1曲でも追加になるとデータベースを再構築します。
音楽を聴いている時に、このデータベース再構築が始まると、音楽がブツブツ途切れるのです。
データベース再構築で最悪30分以上使えない (DLNA サーバが見えない) ことがあります。
データベース再構築はバックグラウンドでやって、音楽配信を優先してほしいのですが、こうなっていないようです。
将来、LS520D0402 のファームウェアがアップデートされて改善されるかもしれません。
我慢の限界を超えて、これじゃ使えない!!!
LS520D0402 の RAID1 NAS はそのまま使い、DLNA サーバは停止しよう。
DLNA サーバを別建てしよう ・・・ 白羽の矢を立てたのが
foobar2000 の DLNA サーバ
foobar2000
は元々は音楽プレーヤ (クライアント) ですが ・・・
外部 DLNA コンポーネントを入れると
DLNA
サーバになります。
操作メニューが英語でやや敷居が高いですが、高性能・高機能の
フリーソフト
です。
Winamp
音楽プレーヤ開発に参加していた方が製作しているようです。 このためか、音楽専用 DLNA サーバとなります。
ハード構成とシステム動作の変化
これまでの構成
TX-L50 は LS520D0402 の DLNA サーバから DLNA 音楽データを受信して音楽再生します。
DLNA サーバは同じ LS520D0402 内蔵 RAID1 HDD から音楽データを取り込みます。
RAID1 HDD は NAS としても構築されており、ネットワーク上で共有もできます。
foobar2000 で音楽専用 DLNA サーバを構築する場合の構成
DLNA サーバは Core-i3 ベースの Windows10 パソコンに foobar2000 をインストールして構築します。
LS520D0402 の DLNA サーバは停止し、RAID1 NAS だけを使います。
TX-L50 は Windows10 パソコンの DLNA サーバから DLNA 音楽データを受信して音楽再生します。
DLNA サーバは LS520D0402 の RAID1 NAS から音楽データを取り込みます。
foobar2000 と関連コンポーネントをインストール
foobar2000 をインストール
Download foobar2000 for Windows
よりダウンロードしてインストールします。
[Latest stable version] の 32bit 最新版をインストールします。
64bit 版もあるのですが、DLNA サーバコンポーネントが 32bit でないと動作しないのです。
インストール中にいろいろ聞かれますがデフォールトで大丈夫です。
FLAC コンポーネントをインストール
FLAC - download
より最新版の [FLAC for Windows] をダウンロードして解凍します。
[win32] フォルダにある [flac.exe] を [C\Program Files (x86)\foobar2000] フォルダにコピーします。
DLNA サーバコンポーネントをインストール
foobar2000 に [UPnP/DLNA Renderer] [Media Server] [Control Point] 機能が追加されます。
このコンポーネントが 32bit にしか対応していないのです。
将来的には 64bit にも対応して欲しいです。
ダウンロードとインストール手順
foobar2000 を立ち上げ、[File]-[Preferences]-[Components] 画面を表示します。
手順1の画面の下のほうにある [Get more components] をクリックするとダウンロードサイトが Web 表示されます。
[UPnP/DLNA Renderer, Server, Control Point 0.99.49] を選択して [foo_upnp.fb2k-component] をダウンロードします。
手順1の画面にある [Install] ボタンを押して手順3の [foo_upnp.fb2k-component] を選択するとインストールできます。
foobar2000 を再立ち上げ
音楽専用 DLNA サーバが立ち上がりますが、まだまだ DLNA サーバ設定が必要です。
DLNA サーバの設定
・・・ foobar2000 を立ち上げて以下の設定をします
[File]-[Preferences]-[Tools]-[UPnP]-[Server] を設定
[Basic Setting] 画面にある [Media Server] の [Always use the Default streaming profile for all device] にチェックを入れます。
[Streaming Profiles] 画面にある [Decording to PCM] の [Except] に [,flac] を追記します。
TX-L50 は FLAC を再生できるので、FLAC はこのままストリーミングします。
ネットワーク負荷も軽減されるし。
[Streaming Profiles] 画面にある [samplerate range] を 44100→192000、[Max bit depth] を 16→24 へ変更します。
DLNA 配信するストリーミングレートと深さの上限の変更です。
DLNA 配信する音楽ソースを指定
[Library]-[Configure] 画面にある [Music folders] に [LS520D0402] の音楽フォルダを追加します。
あらかじめ、[LS520D0402] の音楽フォルダをネットワークドライブ化しておく必要があります。
筆者好みの設定 ・・・ 一般向けではないので特にやる必要はなく、あくまで参考
[File]-[Preferences]-[Tools]-[UPnP]-[Server]-[Content] 画面を表示します。
[Content] にある [Show playlists] [Show Playback Stream Capture] のチェックを外します。
TX-L50 で [Media Library] メニューがトップに出るようになります。
[Customize Media Library Tree...] をクリックして出る xml を編集します。
<SubTree label="Folders" type="filesystem"/> 行をメニューのトップに移動します。
この xml がある場所は web ブラウザの一番上に表示されています。
foobar2000 を再立ち上げ
手順2で設定した音楽ソースのタグ情報が読み込まれ、終われば音楽を DLNA 配信できようになります。
音楽 FLAC 曲数にもよりますが、一番最初はかなり時間がかかります。 2回目からは短時間で済みます。
[Library]-[Configure] 画面にある [Music folders] にある [Status] が [Monitoring] となれば読み込み完了です。
配信する音楽ソースを追加・削除した場合は、foobar2000 を再立ち上げすると DLNA サーバに反映されます。
エピローグ
TX-L50 による DLNA 音楽再生が非常に安定稼働するようになりました。
音楽データが従来と同じ [LS520D0402] に入っているにも関わらず、音楽がブツブツ切れたり配信不能になることがありません。
[LS520D0402] の DLNA サーバはオマケなので、性能はイマイチなのかな。
ファームウェアアップデートで改善する可能性はあるかも。
foobar2000 ではネットワークオーディオプレーヤに見せるライブラリツリーを自由に設定できます。
自分の好きなようにツリー表示できるので、よく使う項目を一番上にして、操作しやすくできます。
[LS520D0402] の DLNA サーバの時はメーカでの設定のまま使うしかありませんでした。
foobar2000 で DLNA サーバ化したパソコンで別の作業も同時にできます。
WMP を起動したり、TAG 編集ソフトを同時に動かしても DLNA 配信は乱れることなく安定です。
これから考えると、[LS520D0402] の DLNA サーバはタコなんだと思います。
CPU 能力やメモリ不足なのかも。 こうだと、どうしようもない。
DLNA サーバ分離化は大成功です!!!
これで
安心して心地良い音楽を堪能
することができます。
DLNA NAS を使った録音・再生システムは究極のフルデジタル録再マシンかも!
[パソコンで音源取り込み] [DLNA NAS で録音データ蓄積] [NAP (Network Audio Player) で再生] をシステムとして見ると ・・・
三種の神器が連携して動作する
究極のフルデジタル録再マシン
と同じです。
それぞれの神器に最良のものを選択することができます。
それぞれの神器ごとにアップグレードでき、メンテナンス性も良いです。
無圧縮または可逆圧縮録音できるので、音楽鮮度は最良に保たれます。
パソコンが録音側、NAP が再生側としてシステマチックに動作します。
処理系としてはクライアント・サーバ型システムです。 サーバは DLNS NAS サーバ、クライアントはパソコンと NAP です。
パソコンは CD を FLAC フォーマットで NAS に録音 (ファイルとして保存) します。 CDDB で曲名や歌手名なども自動的に付きます。
NAP は、この NAS に蓄積された FLAC フォーマットを非圧縮の音楽ソースとして再生できます。
CD 1枚が 700MB として FLAC 圧縮すると 500MB にはなります。
1TB の NAS だと CD が2,000枚入る
計算になります。 十分ですね。
従来の録再専用機より性能が上だし、編集もパソコンの高機能音楽編集ソフトで自由自在にできます。
複数のパソコンや複数の NAP を使って、同時録音や同時再生もできます。
FPGA tuner の S/PDIF 出力を [パソコンで NAS 録音] → [NAP で NAS 再生] するとフルデジタル・エアチェックシステムとなります。
以上のように考えると、
高価な従来型の録再専用機を買う時代は終わった
のかなと思います。
三種の神器を別々に使えるのが最大のメリットかもしれないです。
録再専用機だとその用途にしか使えませんが、パソコンは文書作成など、NAP はインターネットラジオなど、NAS は共有ストレージとして別々に使えます。
特にパソコンは録音動作中に別のアプリを使うこともできます。
録再専用機より絶対的に稼働率が高く無駄になりません。
録再専用機は高価だし、故障したら一式買い替えになって無駄が多いです。
三種の神器の組み合わせだと故障パーツだけ交換すればよいです。
故障パーツの交換は同じ物でなくてもよく、同じ機能を持つ物との交換でよいです。 このことはほぼ永遠にメンテナンスできることを意味します。
NAS に蓄えた音楽データのコピーが簡単に作れて、かつ、コピーしても音質劣化は皆無です。
録再専用機の
SONY NAC-HD1
では USB ポート経由で USB HDD へバックアップできますが、この USB ポートが非常に遅く、フルバックアップに27時間以上もかかり我慢の限界を超えます。 しかも、バックアップされたデータは暗号化されているので汎用性がないです。 NAC-HD1 内蔵 HDD を取り出してコピーしたとしても、これも暗号化されているので使い物になりません。
録再専用機の
YAMAHA CDR-HD1500
も内蔵 HDD を取り出してコピーしたとしても、これも暗号化されているので使い物になりません。
どう考えても
暗号化なしで汎用性があってコピーフリーの NAS 録音のほうが断然有利
ですね。
最近流行りの
Hi-Res Audio (ハイレゾオーディオ)
には元々対応しています。
CD を CD プレーヤでそのまま再生するより音が良いです。
CD → NAS へ書き込む際はデータとして処理するので、エラーがあればリトライして完全なデータを書き込みます。
そりゃ~そうでしょ。 パソコンへ取り込むデータは1ビットでも間違っていると、パソコンが挙動不審に陥ってしまいますから。
NAS は読み出しエラーはほぼ発生せず、CD プレーヤのように再生中のエラーを誤魔化し訂正しないです。
CD プレーヤではリアルタイムに再生するため、エラー訂正に使える時間は短いです。 ある一定時間内にエラー訂正できないフレームデータがあると、1つ前のフレームデータで置き換えるというズルをします。
CD プレーヤでは S/PDIF インタフェース上で発生するジッター (信号のゆらぎ) の問題が発生します。 パソコンと CD ドライブ間ではこの問題が発生せず
ジッターフリー
です。
ジッターが発生しにくく、誤魔化し訂正が少ないと思われる [超高級 CD プレーヤ] はもう必要ありません。
参考にしたサイト
ネットワークオーディオのこと
iTunes から foobar2000 サーバへ移行:メモ
foobar2000 をネットワークオーディオ化する手順
【音源管理の精髄】【ネットワークオーディオ Tips】