KENWOOD KT-2020 (5号機) をゲット!
2024年5月24日、東京都中央区の O さんより
KENWOOD KT-2020
を研究用に寄贈いただきました。
O さんの自家配送でした。
定価7.5万円
の高級シンセサイザ式 FM/AM チューナです。
程度&動作チェック
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寄贈者のコメント
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ネットオークションにていろいろ入手したものの一部なので通電はしていますが履歴、素性等は不明です。
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修理後の販売や部品取り等ご自由にお使いください。
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外観
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製造シリアル番号は [4XK10730] で、電源コードの製造マーキングより [1984年製造品] とわかりました。
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[純正 AM ループアンテナ] は付属していませんでした。
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全体的には綺麗な逸品です。
無キズということではありません。
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フロントパネルは綺麗ですが、天板への折り返しエッジと透明板に目立たない小キズがあります。
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周波数表示部の透明板に僅かな線キズがありますが目立ちません。
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[TUNING] ノブと [POWER] ボタンに小キズがあります。
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リアパネルは綺麗です。
RCA 端子には輝きが残っています。
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AM アンテナ端子に少しサビが出ていますが使用には問題ないです。
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天板はスレはあるものの輝きも残っており大きなダメージはありません。
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底板は綺麗です。
足が右の写真のものに交換されていました。
オリジナル品は安っぽいプラスチック製ですが、交換品はアルミ材使用のかなりマシな足です。
こちらのほうが断然良いです。
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電源 ON してチェック
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電源は正常に入り、各操作ボタンに少しチャタリングを感じますがまだまだ使え動作は正常です。
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FL 表示器の輝度は新品同様に明るく表示は正常です。
[REC CAL] ボタンで正常にテスト音が出ます。
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FM 受信
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周波数ズレはなく AUTO TUNING で正しい周波数で止まり [STEREO] 表示が出て良い音が出ます。
問題なさそうです。
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動作するので、到着時のままオーディオ性能の一部を測定してみました。
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ステレオセパレーションが落ちていますが、これ以外の数値は問題ありません。
| 項目 |
IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
32 |
32 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.034 |
% |
| stereo |
0.034 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-50 |
-52 |
dB |
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AM 受信
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[純正 AM ループアンテナ] が付属していなかったので、右の写真の筆者が標準にしているループアンテナを接続してチェックしました。
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SONY ST-SA5ES などの大型ループアンテナです。
中古市場によく出ています。
横幅 28cm、高さ 12cm くらいのサイズです。
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このアンテナとの相性は良く S メータが振れて良好に受信できます。
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AM は問題ないようです。
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カバーを開けてチェック
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内部全体および基板は非常に綺麗です。
目視チェックで劣化とわかる部品はないです。
リペア (その1):ハンダクラック予防補修
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概要
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リアパネルの端子で [OUTPUT] 端子のハンダ付け部分はハンダクラック事故が多いです。
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左の写真は [OUTPUT] 端子の裏側です。
リードが直接基板にハンダ付けされています。
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右の写真は基板裏側で [OUTPUT] 端子リードのハンダ付け部分です。
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ここは [リアパネル] [基板] の2方向から常にストレスを受けているのでクラックしやすいのです。

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これ以外の端子は電線で配線されているのでクラックは発生しません。
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修理 (予防補修)
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[OUTPUT] 端子 (RCA 端子) のリードを予防補修ハンダ付けしました。
リペア (その2):電気二重層コンデンサ交換
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概要
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バックアップ時間の保証値
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取扱説明書によるとメモリバックアップは7日間と書かれています。
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従って、7日間バックアップできるなら仕様内、7日未満だと不具合ということになります。
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7日間くらいなら試験できるので、やってみました
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プリセット記憶させてから電源コードを抜いて、8日後に再度電源を入れてみました。
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結果、プリセット情報が全部消えてしまいました。
ここで電気二重層コンデンサが寿命と判断しました。
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修理
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メモリバックアップは [C200] 0.022F/5.5V の電気二重層コンデンサで行っています。
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[電気二重層コンデンサ] には寿命があって、本機は製造後41年経っているので寿命になってもおかしくないです。
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電気二重層コンデンサを交換しました。
以下は交換リストです。
| 部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
| C200 |
0.022F/5.5V |
1F/5.5V |
電気二重層コンデンサ |
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左の写真は交換後で、青い部品が交換後の [C200] 1F/5.5V です。
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[フロントパネル基板] を取り外さないとアクセスできない場所にあるので、交換は厄介です。
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右の写真は交換前に基板に実装されていた寿命になった電気二重層コンデンサです。

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コメント
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電気二重層コンデンサは 0.022F → 1F と45倍の容量になりました。
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オリジナルの 0.022F の時のメモリバックアップ保証期間は7日間です。
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容量が45倍になったので、計算上は45週間 (10ヶ月) バックアップできるはずですが。
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実際には、電気二重層コンデンサの自己放電もあるので、数ヶ月でしょう。
リペア (その3):その他
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[フロントパネル] [TUNING] ノブ、[POWER] ボタンに小キズがある
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フロントパネルをバラバラに分解して内外を中性 OA クリーナでクリーニングしてかなり綺麗になりました。
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小キズと言ってもごく僅かなので塗装ではなく、黒の油性マジックペンで化粧しました。
これで十分綺麗になりました。
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使っていくうちに化粧が禿げたら再化粧すればよいです。
誰でもできます。
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天板のクリーニング
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中性 OA クリーナを使って軽くクリーニングしました。
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スレが無くなる訳ではありませんが汚れが取れて少しマシになりました。
再調整
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電圧チェック (VP)
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[CN9] コネクタまたはその近くのジャンパ線で測定します。
以下のように実測値は正常でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
備考 |
| CN9-2pin |
+28V |
+27.7V |
〇 |
VT 電源 |
| J170 (CN9-4pin) |
+5.6V |
+5.56V |
〇 |
デジタル系 |
| J171 (CN9-6pin) |
+15V |
+15.6V |
〇 |
制御系 |
| J172 (CN9-7pin) |
+12V |
+11.7V |
〇 |
アナログ系 |
| J173 (CN9-8pin) |
-12V |
-11.7V |
〇 |
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FM/AM 受信部の再調整
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調整結果
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FM 受信
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珍しく同調点調整ズレはありませんでした。
やはり最近誰かが調整していると思います。
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フロントエンドで少しトラッキング調整ズレがありました。
再調整で少し感度が上がりました。
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PLL 検波が大きく調整ズレしていました。
誰かがやった調整ではオシロスコープを使う調整はしていないのかな?
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VCO 調整でズレがありました。
再調整で規定内に入りました。
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再調整でステレオセパレーションと高調波歪率が大きく向上しました。
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再調整後の特性データは以下です。
素晴らしい数値です。
| 項目 |
FM IF BAND |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
65 |
69 |
dB |
| NARROW |
62 |
62 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.0048 |
% |
| stero |
0.032 |
% |
| NARROW |
mono |
0.037 |
% |
| stero |
0.037 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stero |
-78 |
-78 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0 |
0 |
dB |
| REC CAL |
WIDE |
mono |
398 |
Hz |
| -5.4 |
dB |
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AM 受信
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[純正 AM ループアンテナ] が付属していなかったので IF 調整だけ実施しました。
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AM 放送は2028年に無くなる
ので、そろそろワイド FM 受信も受信できる準備をしたほうがよいかも。
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このような
周波数コンバータ
を使うと KT-2020 でもワイド FM が受信可能になります。
使ってみました
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修理&再調整
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本機は到着時に電気的には非常に良い状態でしたので、最低限のリペアで済みました。
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足が交換されており調整ズレも少なかったので、既に誰かがメンテナンスしていると思います。
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再調整で新品時の性能に蘇りました。
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あらためて本機をじっくり聴き込みましたが、やはり高級機です。
素晴らしい音です。
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KT-2020 は高性能・高音質なことを再認識しました。
同じ KT-2020 でも当たりハズレはあるのですが、本機は当たりです。
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デザイン
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[フロントパネル] [TUNING ノブ] [ボタン] はアルミ材で質感があります。
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プリセットメモリは FM/AM ランダムに16局分あり、十分です。
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ディスプレイの左側にバー表示の [S メータ] [T メータ] [M メータ] が集中していて、同調状態が把握しやすいです。
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FM アンテナ入力が簡易 F 端子で妨害電波の混入を避けることができます。
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FM 受信
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FM の感度と妨害電波排除能力は素晴らしく良い
です。
FM フロントエンドの性能が余程良いのでしょう。
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FM の音質は、Hi-Fi 調で、シャッキリとした高音域が特長です。
ハッとするような素晴らしくクリアな音
です。
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AM 受信
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AM IF BAND が WIDE の時の音質はかなり良いです。
感度も良いです。