ONKYO T-427 (2号機) をゲット!
2026年8月13日、東京都青梅市の F さんから
ONKYO T-427
を研究用に寄贈いただきました。
FM 帰還方式・サーボロックチューナです。
とても美しいチューナ!
残念ながら性能が完全には蘇りませんでした。
程度&動作チェック
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寄贈者のコメント
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外観のチェック
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製造シリアル番号は [21122405] で、電源コードの製造マーキングより [1981年製造品] とわかりました。
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[純正 AM ループアンテナ] は付属していませんでした。
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まず目立つのは、[天板] に多くの線スレ、数ヵ所の浅いヘコミがあることです。
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状態は良くありませんがラックに入れれば見えない部分でもあります。
なお、原型は保っています。
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[フロントパネル] を真正面から見ると綺麗です。
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アルミ板の天板への折り返し、底板への折り返しに線キズが複数あります。
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透明板の右から1/4くらいの箇所に線キズがあります。
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フロントパネル全体が左に 1mm 程度ズレているようです。
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[リアパネル] 自体は問題ありませんが、RCA 端子にかなりサビが出ており、サビ取り必須です。
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[底板] は特に問題ないです。
[T メータ] の指針のセンタ位置が僅かに左側にズレています。
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電源 ON してチェック
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正常に電源が入り、ランプ切れはなく、ノブやスイッチは正常に反応します。
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[OUTPUT] 端子は [REC] [VARIABLE] ですが、[VARIABLE] の L 側から音が出ません。
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RCA プラグを揺すると音が出るので、接触不良です。
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[OUTPUT LEVEL] ノブを回すとガリ音が出ます。
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[AIR CHECK] スイッチ ON で正常にテスト音が出ます。
[TUNING] ノブのタッチセンサ動作は正常です。
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FM 受信
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[S メータ] [T メータ] [D メータ] が正常に振れ、[LOCKED] [TUNED] [STEREO] が点灯して正常に受信できます。
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筆者の電波環境で [S メータ] の振れが 80% 程度なので、少し感度落ちがあるかもしれません。
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80.0MHz の放送が 80.1MHz (+0.1MHz ズレ)、89.7MHz の放送が 90.1MHz (+0.4MHz ズレ) 辺りで受信します。
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指針が示す周波数は +0.1~+0.4MHz 周波数ズレしています。
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ともかく受信できるので、到着時の性能を測定してみました。
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ステレオセパレーションがかなり悪化していますが、その他は良好です。
| 項目 |
SELECTIVITY |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
21 |
21 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.050 |
% |
| stereo |
0.060 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-69 |
-72 |
dB |
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AM 受信
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[純正 AM ループアンテナ] は付属していなかったので、右の写真の筆者が標準にしているループアンテナを接続してチェックしました。
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SONY ST-SA5ES などの大型ループアンテナです。
中古市場によく出ています。
横幅 28cm、高さ 12cm くらいのサイズです。
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特に問題なく受信できました。
このループアンテナとの相性は良さそうです。
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カバーを開けてチェック
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内部は綺麗です。
底板の内側にサビの斑点がありますが、問題はないです。
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基板には目視で明らかに劣化とわかる部品は見られません。
リペア (その1):リアパネルにある RCA 端子にサビが出て接触不良になっている
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概要
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従来はリアパネルを分解して RCA 端子をむき出しにしてサビ取りしていたので、膨大な作業時間がかかっていました。
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最近では、右の写真の筆者特製の [RCA 端子研磨ツール] を使っています。
特に製作した訳ではなく、ちょっと高級なメタル RCA プラグを流用しているだけです。
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リアパネルを分解する必要がなくなるので、作業時間が大幅に節約できます。
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サビ取り (マイクロ研磨)
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ツール内側に
ピカール液
を塗布してから RCA 端子に挿入し、ツールをグルグル回してマイクロ研磨します。
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マイクロ研磨が終わったら RCA 端子に残留しているピカール液を除去します。
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この作業を [REC] [VALIABLE] [MULTIPATH] 端子に行いました。
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作業後の動作チェック
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RCA 端子に輝きが蘇りました。
新品同様とはいかないですが、かなり改善できました。
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RCA 端子にサビがあった時はプラグ挿入に大きな力が必要でしたが、研磨後は軽く挿入できるようになりました。
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RCA プラグとの接触不良が無くなり、音が良くなった気がします。
リペア (その2):その他
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フロントパネル全体が左に 1mm 程度ズレている
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フロントパネルの位置調整をして直りました。
取付ネジが間違っていたので、過去に誰かが弄ったと思います。
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回すとどこかと摩擦していた [OUTPUT LEVEL] ノブがスムーズに回るようになりました。
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[OUTPUT LEVEL] ノブを回すとガリ音が出る
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FM 受信で絵少し感度落ちがあるかもしれない ([S メータ] が 80%)
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再調整で感度は数倍上がったのに [S メータ] の振れは 80% のままで変わりません。
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どうやら本機では [S メータ] の振れは 80% で飽和するようです。
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本機には [S メータ] 調整用ボリュームが無いので調整しようがなく、故障ではないので、このまま使うしかないです。
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指針が示す周波数は +0.1~+0.4MHz 周波数ズレしている
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FM フロントエンドのトラッキング調整で、ほぼ ±0.1MHz 以内の誤差に収まりました。
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バリコンの精度以上には調整できず、本機ではこれが調整の限界です。
問題はないです。
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T メータのセンタ位置がやや左側にズレている
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メータの取り出しができれば、分解して調整アームで補正できます。
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フロントパネルを分解しましたが、メータは薄い化粧アルミ板に (おそらく両面テープで) 貼り付けられています。
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無理に外すと薄い化粧アルミ板が曲がってしまいそうで、メータ取り外しを断念しました。
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まあ、1mm 程度のズレなので諦めですね。
動作には全く支障ないしね。
再調整
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電圧チェック (VP)
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実測値は以下のように良好でした。
| VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
| Q901(78M12)-OUT |
+12V |
+11.9V |
〇 |
| Q902-E |
-12V |
-11.4V |
〇 |
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FM/AM 受信部の再調整
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FM 受信部の再調整結果
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再調整により、感度と高調波歪率は大きく向上しました。
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SELECTIVITY = WIDE のステレオセパレーションが T-427 としては悪いです。
NARROW 時と変わりません。
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MPX IC {HA12016] の後には AF アンプ等がなく、この IC の不具合としか考えられません。
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SSG より MAIN (L+R) だけ、SUB (L-R) だけ送ってレベルを比べると MAIN より SUB のほうが 4dB レベルが高いです。
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このレベルは同一のはずで、差がある原因は、やはり {HA12016] の不具合としか考えられません。
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修理するには MPX IC {HA12016] の交換が必要ですが、手持ちが無かったので修理を断念しました。
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これでもセパレーションは13倍はあるので、ステレオ感はあります。
| 項目 |
SELECTIVITY |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
| ステレオセパレーション (1kHz) |
WIDE |
stereo |
22 |
22 |
dB |
| NARROW |
22 |
22 |
dB |
| 高調波歪率 (1kHz) |
WIDE |
mono |
0.016 |
% |
| stereo |
0.017 |
% |
| NARROW |
mono |
0.56 |
% |
| stereo |
0.56 |
% |
| パイロット信号キャリアリーク |
WIDE |
stereo |
-70 |
-72 |
dB |
| オーディオ出力レベル偏差 |
WIDE |
mono |
0 |
-0.07 |
dB |
| AIR CHECK 信号 |
WIDE |
mono |
492 |
Hz |
| -6.0 |
dB |
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AM 受信部の再調整結果
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[純正 AM ループアンテナ] がなかったので、IF 調整だけしました。
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どうせ、AM 放送は2028年に終了するので、あまり気にしないことにします。
使ってみました
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修理&再調整が終わって
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今回は珍しくハンダゴテを使うことなく終わりました。
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MPX IC の劣化はあったのですが、あいにく手持ちがなかったので交換できませんでした。
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今後、修理したくても IC の生産中止で修理できないケースが出てくると思います。
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デザイン
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フロントパネルは分厚いアルミ材で質感があります。
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高さが 99mm とスリムに見えるデザインです。
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電源を入れるとダイヤルスケールのイルミネーションが美しいです。
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[S メータ] [T メータ] に加えて [D メータ] もある3メータ構成です。
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FM アンテナ入力は F 端子なので妨害電波を拾いにくいです。
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タッチセンサ内蔵で、[同調] ノブに手を触れるとサーボロックが解除され、手を離すと自動的にサーボロックがかかります。
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FM の受信性能&音質
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感度や妨害波排除能力は問題なく良いです。
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音はクォードラチュア検波特有の柔らかい音質で聴きやすいです。
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AM の受信性能&音質
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感度は良好です。
[SELECTIVITY=WIDE] の時は、AM にしては音が良いと感じます。