YAMAHA T-2000W

YAMAHA T-2000W をゲット!

2008年10月4日、SM さんから YAMAHA T-2000W を研究用に寄贈いただきました。 YAMAHA のフラグシップチューナです。

T-2000W は A-2000 とペアを組めるデザインです。

入手直後にメンテナンスしたのですが、長い時間が経ったので再メンテナンスして2025年4月2日に完了しました。



YAMAHA フラグシップ高級シンセサイザ式チューナ

  1. [T-2x] [T-2000] [T-2000W] 3兄弟について

  2. 3兄弟と [TX-2000] について



ブロック図



程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 電源 ON してチェック

  3. カバーを開けてチェック



カバーを開けてみました

  1. 作りは良いです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンド

  3. FM IF 部

  4. FM 検波部

  5. FM MPX 部

  6. AM 受信部

  7. プリセットメモリのバックアップ



リペア (その1):[C341] 3300uF/25V 電解コンデンサが液漏れしている

  1. 概要

  2. 交換



リペア (その2):電気二重層コンデンサ交換

  1. 概要

  2. 交換

  3. コメント



リペア (その3):プリセットボタン用タクトスイッチ交換

  1. 概要

  2. タクトスイッチ交換

  3. 交換後の動作チェック



リペア (その4):ハンダクラック修理

  1. 概要

  2. 修理



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント



  2. 電圧チェックポイント (VP)

  3. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-2000W の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND : FM
    REC CAL : OFF
    FILTER : OFF
    FM ATT : OFF
    RX MODE : LOCAL
    TUNING MODE : AUTO
    - -  
    2 - 90.00MHz 受信 T106 #6 コネクタ VT 電圧 = 20±0.2V OSC トラッキング調整
    3 - 76.00MHz 受信 - #6 コネクタ VT 電圧 = 3V 以下
    確認のみ
    4 76MHz 30~60dB
    無変調
    76.00MHz 受信 T101
    T102
    T103
    T104
    SQ メータ = 最大 RF トラッキング調整
    5 90MHz 30~60dB
    無変調
    90.00MHz 受信 VC101
    VC102
    VC103
    VC104
    6 手順4~5を数回繰り返す
    7 83MHz 90dB
    mono 1kHz
    83.00MHz 受信 VR203
    VC202
    オーディオ出力 = 高調波歪最小 レシオ検波調整
    8 T203 TM~NVCC 間電圧 = 0±200mV
    9 手順7~8を数回繰り返す
    10 83MHz 90dB
    stereo 1kHz L-R
    83.00MHz 受信 VR207 VR207 を左右に回して
    [STEREO] 表示される中間に合わせる
    MPX VCO 調整
    11 T211 オーディオ出力 = 最大 SUB 調整
    12 T201
    VR201
    オーディオ出力 (L) = 高調波歪最小 LOCAL モード
    ステレオ歪調整 L
    13 T202
    VR202
    オーディオ出力 (R) = 高調波歪最小 LOCAL モード
    ステレオ歪調整 R
    14 83.00MHz 受信
    RX MODE : DX
    VC201 オーディオ出力 = 高調波歪最小 DX モード
    ステレオ歪調整
    15 83MHz 90dB
    stereo 1kHz L+R
    83.00MHz 受信
    RX MODE : LOCAL
    T212
    VR208
    オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 パイロットキャンセル調整
    16 83MHz 90dB
    stereo 1kHz L
    VR206 オーディオ出力電圧 (R) = 最小 ステレオ
    セパレーション調整
    17 83MHz 90dB
    stereo 1kHz R
    VR205 オーディオ出力電圧 (L) = 最小
    18 83MHz 70dB
    無変調
    VR210 SQ メータ = フル 閾 SQ メータ調整
    19 TP(K4) と TP(T6) を短絡 CSL 調整
    20 83MHz 90dB
    無変調
    83MHz 受信 VR209 表示の最下位が 0/1 を繰り返すよう調整
    21 TP(K4) と TP(T6) を開放

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-2000W の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND : AM
    REC CAL : OFF
    FILTER : OFF
    TUNING MODE : AUTO
    - -  
    2 - 1620kHz 受信 OSC コイル #6 コネクタ VT 電圧 = 25±0.2V OSC トラッキング調整
    3 - 513kHz 受信 - #6 コネクタ VT 電圧 = 5V 以下
    確認のみ
    4 603kHz 40dB
    無変調
    603kHz 受信 RF コイル SQ メータ = 最大 RF トラッキング調整
    5 1404kHz 40dB
    無変調
    1404kHz 受信 RF トリマ
    6 手順4~5を数回繰り返す
    7 999kHz 40dB
    無変調
    999kHz 受信 T109 SQ メータ = 最大 IF 調整
    8 999kHz 40dB
    無変調
    999kHz 受信 VR204 SQ メータ = フル 閾 SQ メータ調整

  5. 再調整結果



使ってみました

  1. デザイン

  2. [SQ メータ] は [S メータ] とは違う

  3. 感度と音質

  4. コメント



仕様など

  1. ドキュメント

  2. 仕様

    FM 受信部
    受信周波数範囲 76~90MHz
    実用感度 (75Ω) mono : 0.9uV / 10.3dBf
    S/N 比 50dB 感度
    (DX, NR OFF)
    mono : 2.0uV / 17.2dBf
    stereo : 20uV / 37.2dBf
    イメージ妨害比 100dB
    IF 妨害比 115dB
    スプリアス妨害比 110dB
    AM 抑圧比 70dB
    実効選択度 85dB (DX)
    キャプチャーレシオ 1.2dB (LOCAL)
    S/N 比 mono : 100dB
    stereo : 88dB
    全高調波歪率 (1kHz) mono : 0.009% (LOCAL)
    stereo : 0.015% (LOCAL, 1kHz)
    ステレオセパレーション (1kHz) 68dB (LOCAL)
    周波数特性 20Hz~15kHz +0.2 -0.5dB
    サブキャリア抑圧比 70dB
    AUTO DX 動作レベル ステレオ時 SN 50dB にて DX MODE に自動切換
    シグナルメータ飽和レベル 3mV / 75dBf
    出力レベル/インピーダンス
    (100% 変調, 1kHz)
    HIGH : 1000mV/2kΩ
    LOW : 500mV/2.5kΩ
    AM 受信部
    受信周波数範囲 513~1620kHz
    実用感度 250uV/m
    選択度 30dB
    S/N 比 55dB
    イメージ妨害比 40dB
    スプリアス妨害比 50dB
    全高調波歪率 0.2%
    出力レベル/インピーダンス
    (30% 変調, 400Hz)
    HIGH : 300mV/2kΩ
    LOW : 150mV/2.5kΩ
    総合
    電源電圧 AC100V, 50/60Hz
    消費電力 13W
    外形寸法 473(W)×119.5(H)×357(D)mm
    重量 6.5kg
    その他
    発売時期 1983年12月
    定価 85,000円